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第2話 何気ないひと時
怜と向かい合わせだったので、目が合うとすぐにお互い苦笑いしてしまう。
話は、お開きしてから……となったが、真衣香に先に引き留められた。
「マイ?」
「……お兄ちゃん。芽依お兄ちゃんの……連絡先はわかる?」
「芽依君? 俺より、兄貴の方が知ってると思うけど」
「! わかったー!」
どうやら、来年中学生になる妹にも……春が来たかもしれない。道徳的とかどうたらこうたらあるだろうが……別に年の差はそこまで大きくはない、はず。
それに、芽依の人柄は悪くない。まだまだ短い付き合いだが、きちんと姉の体調を労わる気遣いがあることを知っている。それは兄の凛も。
とりあえず、真衣香は秀司に確認を取りに行ったが……その秀司がお節介をしていた。芽依を引きずり、真衣香の前に立たせたのだ。
「れ……連絡先、交換。いいかな?」
「うん! 喜んで!!」
と言うやり取りがあったので、あちらはあちらで何とかなりそうだ。とりあえずは……怜も来たので、お互いの両親に声をかけてから帰宅することに。
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