第2話 何気ないひと時

2/3
前へ
/286ページ
次へ
「お腹ぱんぱん! 披露宴だとどんくらい食べれるんだろう??」 「葛木(くずき)さんとかに聞いたりした?」 「ドレスキツいし、挨拶とかが多いならあんまり食べれないって聞いた。仕事はまだ高砂(たかさご)任されたこと少ないし」  裕司も詳しくないが、高砂とは新郎新婦が披露宴の時に座る席のことを言うらしい。裕司は今の部署の関係でほとんど見た事がないが……歓談の時間以外は立ったり座ったりが多いとか。  お色直し……も、一応プランには組み込んだが、レンタルとは言え衣裳を汚さないかとても心配だ。 「……まあ。料理長や先輩らの料理はきちんと堪能したいぜよ?」 「和中洋混ぜたもんね〜?」  和食部門の板橋も、出来れば祝いたいの言葉もあったため……そうしたら、いつもは大人しい中華部門の(よう)まで参戦を言い出してきた。  全部、山越を含めるまかない処でのやり取りだったが。  怜もだが、裕司にもそれなりに気にかけてくれることが……裕司は素直に嬉しかった。  しかし、料理のメインはやはり洋食部門の中尾に決定はしている。
/286ページ

最初のコメントを投稿しよう!

87人が本棚に入れています
本棚に追加