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不思議に思い足を止めた
「えっ?ここどこ?」
「どこって
え?どこ?」
あんなに前を横切っていた人が
一人もいない
気配もない
音もない
あるのは
自分達の息づかい
バクバクと脈打つ心臓
それでも変わらない
打ち付ける雨音
「え~?下町情緒は~?」
「戻ったのか?
また急に」
「寝なくていいの?」
「前回は寝てはいったから寝て戻った
今回は走ってはいったから
走って戻ったのか」
「そんなのあり?」
「良いんじゃない?
戻ったんだし」
「え?まって
旅館の荷物は?」
「向こうじゃない?」
「お土産は?
あんなに買ったのに」
「都合良く
こっちに来るとも
考えにくいね」
「お土産~」
「良かった
浴衣はある」
「ずーるーいー」
「それより帰りましょ」
「暖かい温泉は?」
「うちは
そんな豪邸じゃないので」
「いやだ!
温泉入りたい!」
「そう言われましても」
「温泉施設いこう!」
「着替えを取りに行ってから」
「よし!そうしよう
その前にコンビニで傘買わないとね」
「その前に
ここどこ?」
「そうだった」
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