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腰痛すぎ。
目を覚まし、肌寒さにより寝返りをうとうとするが、でかい何かによって動けずに居る。
漆黒色に、消炭色。
2色という色の少ない部屋を、横になったままぼーっと眺めていた。
「胡粉色の家具を置けば映そうなのに」
「そうか。なら買いにでも行くか」
ふと呟いた掠れた声の独り言に、言葉が返ってくるなんて誰が思うだろうか。
揺は驚きを隠せず体に力が入る。
力が入った時、違和感を覚えていたお尻が傷んだ。
揺は痛みにより手で口を抑えながら我慢した。
目に涙をうかべてしまったのは仕方がない。
「おい、安静にしろ。朝までシたんだから」
大きな手に、腰を優しく撫でられる。
いや、さすられるの方が正しいだろうか。
胸元に寄せられ、抱きしめられながらさすられていると気持ちよくなり、揺はもう一度眠りに落ちた。
「…あ、閻魔じゃないって言い忘れたな。」
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