ら れべでれ

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あれから何日経ったのだろうか、もう何年もお陽さまを浴びていない気がする。部室から見た夕焼けがひどく懐かしい。ここの窓はダンボールとガムテープで塞がれていて、何も射しこんでこない。唯一、この部屋に入ってきたのは覆面を被った男らしき者だった。電気をつけると覆面男は後ろ手に縛った私を見るなり、立てたイーゼルにスケッチブックを置き、鉛筆で何かを描きだした。ベッドのマットレスに横にされていた私は、ひとまずこいつに「覆面男」という名前をつけた。そしてそして、マットレスの縫い目をただ見つめていた。
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