霧の城①

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「採光対策なんてしちゃいない… まるで牢獄だね」 「監獄だろ…遠子からしたら」 「案外そうでもないぜ映時。 遠子ちゃんにしてみれば亡くなった母親と…あんなヤツでも育ててくれた親。 今じゃヘドが出るけどな…。」 滲み出る、俺にはわからない遠子の父への思い。あんなヤツに翻弄され、監禁状態にされてもなお感謝するというのか? やがて一筋の光が見えてきた。ガサガサと音がする。俺達は顔を見合わせ息を潜める。 「遠子なのか…⁉」
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