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「…俺の邪魔をするなというのがわからないのか小僧」
「邪魔してんのはあんたのほうだろ。
いい加減子離れしろよ」
ピク。大志の逆鱗に触れたのか眉がヒクヒクと動いている。扉越しから覗き見していた公太は張り付いた空気に耐えきれず小夜の後を追いかける。
「フン…ネズミが一匹逃げたか」
「もう外はあんたを逮捕しようと警察が見張ってるぜ?まああんたが逮捕されたら遠子ちゃん悲しむけどな……。
それでもあんたが遠子ちゃんに近づかなくなるなら」
「警察の世話になるなら俺はこの家を焼き払う。遠子と過ごした日々はこれからまた作ればいい…。」
狂っているーー
娘と過ごした大切な家を焼き払ってまでも手にしたいものはーー
カーテンを開け外の様子を伺う大志の姿は異常者以外の何物でもなく、異様な光景に聖は額に汗が滲む。
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