霧の城④

4/10
前へ
/902ページ
次へ
「ーーおめーら風邪引くぞ」 自転車を飛ばして牧野がやってきた。中学時代から見慣れた物持ちの良いオレンジのマフラーはもはやジャイアンにしか見えない。 「牧野さん遅いっすよ!!何してたんすか」 「いやまぁアレだ。それより一乃瀬無事か?」 遠子の顔を覗き込む。遠子は変わらず俺の腕を掴んでいる。 寒さも合いまり、早々にその場を解散する。しばらくの間俺は遠子の精神(ケア)を優先し、遠子もバイトを休むことになった。
/902ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加