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「――待ちなさい聖。」
都内スタジオにて撮影を終えた聖を呼び止める瑠美。スターバックスの袋を瑠美に預ける聖。
「これからメシ。」
「なら私の話を聞きなさい。あの子、あなたが欲しくて仕方ないみたいよ。セックスフレンドならちゃんと処理しておきなさい」
「普通にセフレって言えよ…セフレじゃねーけど」
刺激的な単語に、スタッフからはどよめきの声が上がる。中学時代から聖を撮り続けているカメラマンは首を振る。
「なんだよ筒井さん……」
「聖。俺達はいいが片桐さんを困らせるな。その女の子、今朝もうちの周りをウロついていたぞ」
「知らねぇよ」
撮影所を出る聖。冷たい風が身に沁みる。
「聖!」
「うるせーなメシつっただろ」
「誰とメシなのか教えてくれるかしら」
「あんたが立場利用して狙ってるヤツだよ。」
見慣れた方角に向かって行く聖。瑠美は呆れて空を見上げる。今にも雪が降りそうだ。
「…手を焼かせるわね」
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