最後に笑うのはあたしのはず

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結婚式は空港のラウンジで行われた。出席者は両家の限られた身内のみである。 ウエディングドレスを纏う長美とパイロット姿の睦応が鉄鳥舞う青空に映える。鉄鳥の放つ轟音(はばたき)さえも、長美の耳には勝利を祝う祝福の喇叭(らっぱ)に聞こえてくる。 樹璃は涙を浮かべながら震える声で長美に述べた。 「あの人なら大丈夫だからね? ちゃんと幸せにしてもらうのよ?」 それは愛する妹の結婚を心から喜ぶものだった。そこには勝ち負けなどといった下らない気持ちは一切ない。 純粋に妹を愛する姉の気持ちは一片たりとも伝わることはないのであった……                              おわり
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