雨が、止むとき。

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「よりによって、今日が雨なんてね」  そうは言うけど、俺にとって雨は何よりの呪詛だった。 「今日は雨だからな」  俺は何回そう言って、君との外出の約束を反故にしたことだろう。 「そんなに言うほど、降ってないよ」 「そうは言っても、雨は雨だ。俺は無駄に濡れたくないんだよ」  そう言うと、俺は由加里をベッドに押し倒す。  そして首筋に痕がつくほどに強く、キスをした。  そのあとは、まぁ、ご想像の通りだ。  由加里の着替えたばかりの白いワンピースを乱暴にその肌から脱がす。  黒のレースが官能的な下着を剥ぎ取るとき、由加里が羞恥の声をあげたが、俺はこんなにひらひらした下着を着けたからには、こうなることも期待していたんだろう、と男特有の都合の良い解釈を脳内に展開させて、その指先に力をより込める。  情事が終わって、ふたつの弾んだ息の向こうで、雨音が聞こえると、俺はなおさら安堵する。
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