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な
──あ、夏だ。
ふわあと花が咲くように、私──那月は、夏を感じ取った。
今年の夏の開花は、クーラーの音だった。
夏、なんだよね。
いまこの瞬間から私の季節は夏だ。
今年の夏、何しようかなー?
夏休みは、思い切って夏っぽいネイルしよう。
金魚とかかな?それとも大人っぽく、ネオンカラーでまとめてみる?
服も新調したいかも。
前ネットで見た、白いレースのオフショルのワンポース可愛かったな、似たのあったら買ってみよう。
あと、そろそろなにかボトムスが欲しい。ポップマリン系のベルトもついでに買ってみたいかも。
今年は海行くかな?
水着、思い切って買っちゃいたい。
夏祭りとかもあるはず。
浴衣はもう小さいから、新しくねだっちゃお。朝顔づくしってやつかな、はなやか牡丹も気になる。
……そんなにお金はないけどね。
ぴこんとLINE通知が入ったので、手を伸ばして確認する。
──あ、朔遙からだ。
朔遙は私の彼氏で、付き合って半年。
彼は優しいし、でも余計な気遣いはしない。
自然な感じが居心地がいい。
学年、いや、私達を知っている人なら、私と朔遙が恋人ということは誰でも知っているだろう。
〚夏休み、予定とか入ってる?〛
〚まだ詳しくはわからないけど、多分あいてるよ〛〚どうしたの?〛
〚いや、どこか出掛けたいなと思っただけ〛
〚いいね、どこにする?〛
〚考えとくわ〛
〚了解!〛〚私も調べてみるね〛
〚よろしく〛
──夏休み、デートが決まりました。
やったーっ!
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