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雨音はどちらかと言うと嫌いだ。
好きな人には申し訳ないと思うけれど。
まだ中学生になった頃、雨が降っているにも関わらず屋外でのプールの授業をやるという。恥ずかしい話プールに必要な物を忘れてしまい、プールができない代わりに雨に濡れたグラウンドで運動をすることになった。
……正直これが大変だった。体操着の着替えも無いから、汚さないように工夫しつつも運動もしなければならない。
それでどうしても動きがぎこちなくなる。そのため遠くから……
「ちゃんとやってない」
なんて自分と同じく忘れ物をした女子から言われる。恐らく別の運動をしていてグラウンドの近くにたまたま来たのだろう。
どう見ても距離あるし、ちゃんと見てるか怪しい。
その後は何とかその女子をやり過ごし、服もあまり汚れなかったが、もう雨のグラウンドで運動なんてしたくなかったし、雨音を聞くだけで、苦々しい記憶が蘇るのだ。
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