家庭教師をメスにするのが俺の夢

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弟の参加はあれ一度きりだった。 何度もねだられたが、基本そればっかりが目的ではない。 女の中身が分かるととりあえずは半分の目的意識である東大に向けての勉強に集中した。 あくまでもここは俺のターニングポイント。 両大学を決めてからでも遅くはない。 決めた後で堪能すればいい。 そして次なるターゲットは京大家庭教師【ドM予定】だ。 「過去問はいくつかやった?」 あどけない表情だがスーツをきちんと着こなす真面目なタイプだ。 スタイルはそんなに良くはないがムチムチした身体とノーメイクに近い童顔、後は特別塾講師としてのハイスペックな肩書きに惹かれた。 「あ、はい、何度かは。でも大問が多くてしかも難問。手こずります。」 「そうね、ちょっと謎かけみたいな問題を出す傾向があるから、真っ直ぐルートだけで考えても難しいかも。」 淡々と顔色一つ代えず話す。 今まで一番固いタイプだ。 下ネタどころか、雑談さえ許さなそうな勢いだ。 ある意味隙がない。 二時間も根を詰めて問題を解く、解答と説明と対策を聞く。を繰り返していると、流石に俺も息が詰まる。 だが、彼女は平気な様だ。 多分それだけのハイスペ生徒を指導してきたのであろう。 だから勿論、今までの家庭教師より給料が倍位違う。 俺から根を上げるのは、かなり珍しいのだが、 「先生、ちょっと休憩入れませんか?」 目がシパシパして頭が回らない。 人の集中力というのは限界がある。 彼女は腕時計を見て 「あら?もう二時間も。ごめんなさい。初日から飛ばしすぎたわね。気が付かなかった。はい。休憩にしましょう。」 俺は机の上を少し片付けて、前もって用意していた茶菓子を机の上に置いた。 「先生もよろしかったら、是非。」 紅茶を勧める。 「ありがとう。戴きます。」 彼女が紅茶を口につける。 俺はいつものチョコレートを食べる。 本来俺は甘いものは食べないのだが、勉強疲れの脳みそにはこれが一番効く。 折角の休憩タイムだというのに、彼女は休憩中もずっと受験対策の話をする。 まぁ本来まともな家庭教師ならこれが普通なのだろう。 俺は話を聞きながら、全く入る隙がない事を多少焦っていた。 これは、短期決戦では無理なんじゃないかと初めて弱気になった。 休憩が終わっても、彼女は淡々と勉強のポイントを教えて続けていく。 英語、数学、他の教科の取り組み方。 確かに勉強としては非常に分かりやすいし今後の勉強の方向性も分かりやすい。 そりゃ家庭教師としてはある意味特別と名がつくだけある。 勉強に特化しているだけ、本当に休み時間も無駄がないのだ。 初めて初日から惨敗したのはこの時が初めてだった。 しかし、あれをねじ伏せる事が出来たら、逆に凄く興奮するのではないか?と考えもした。 俺は復習しながら、彼女の攻略法も頑張って考えた。
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