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同席面接をして初めて俺の家庭教師になったのは、現役の女子大生だった。
やたら乳のでかい、けれど小柄で大人しそうな女だった。
俺はその時高校1年の冬だった。
週3回、19:00~21:00だった。
初めは俺も大人しく明らかに小物感を出しつつ、本当は解けるけど解けない振りをして真面目に勉強に取り組んだ。
まずは警戒心を解いて信用を得なければ話にならない。
地道で面倒くさいが、これは大事だ。
先生は俺の隣に座って熱心に教えてくれる。
初めのうちは、顔の距離や膝の近さにドギマギしていた。
うちの高校にはいない大人女子的なシャンプーの匂いや、パツパツの巨乳もそれはそれで俺をくらくらさせた。
当然目の前の問題集になど集中出来るものではない。
目の前に餌を置かれた獣の様に、俺は初めのうちいきり立つ股間を静めるのに苦労した。
週3なので、流石に仲がよくなるのも早かった。
休憩がてら、世間話をしたり、お互いの学生生活話をしたり、当然彼氏彼女の話にもなる。
彼女がどの辺りに住んでいて、どの学校に行って、彼氏とは何ヵ月かとか実家暮らしだとか、家庭教師になったいきさつ等毎回楽しく会話しながら、でも二時間なので、基本は勉強を中心に過ぎていった。
会話の中で軽い下ネタ話が出来る様になると、そろそろ始動の時である。
大体下ネタに嫌悪感を抱くタイプは距離を縮め難い。
だからそこまで持っていくのが実は一番の難関なのである。
だから会話のテクニックや自然にそっちに向かわす方法、これは戦術だ。
相手が違えば、またそれ通りの戦術も違う。
並大抵の会話テクニックでは駄目なのだ。
ここで、信用を勝ち取るか、嫌悪感と警戒心を抱かせるか、ターニングポイントである。
だから失敗は許されない。
一度不信感を与えてしまうと、そう簡単に拭う事は出来ない。
そういう時はさっさと諦めて次に行った方がパフォーマンス的にはだいぶ、いい。
しかし、その難関をくぐり抜ければ後一歩。
絶品な果物を育てる為には、まず土壌だ。
丁寧に細やかに、
基礎固めがあっての商品である。
ここは手抜きは出来ない。
練れば練るほど、味はうまくなる。
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