エッチな惑星への序曲《プロローグ》

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エッチな惑星への序曲《プロローグ》

 ヤバい。今、ボクは絶体絶命だ。  リビングで美少女(アキラ)に押し倒され、仰向けに寝転がっていた。まるで媚薬で全身が麻痺してしまったようだ。  下半身が心地よく(しび)れていく。 「ううゥ……、やめろよ」  なんとか、ボクは美少女(アキラ)から逃れようと懸命に身体を(よじ)った。 「フフゥン、はじめてなんだろう?」  しかし上から目線で美少女(アキラ)は目をギラつかせている。まるで肉食系女子の餌食になったような気分だ。  美少女(アキラ)はボクの下半身に(また)がって妖しく微笑(ほほえ)んだ。ヤケに思わせぶりな笑顔だ。 「ちょッ、ちょっと待ってよ。アキラ」   ボクは慌てて顔を(そむ)けた。  このままだとボクは親友(アキラ)を持ってしまいそうだ。  相手はボクと幼馴染みの同級生(タメ)だ。そう、見た目はキュートな美少女でもなのだ。 「良く見ると玉井翔(おまえ)ッて可愛らしい顔してるよな」  美少女(アキラ)はボクの顔を(うかが)うように覗き込んでくる。 「い、いやいや……、そんなことはないよ」  ボクの知っているアキラとはまったく顔が違う。可愛らしい美少女だ。  性別さえも違っている。しかし小悪魔みたいに(おど)けた表情はそっくりだ。  もちろんアキラなのだから。 「フフゥン、ふたりで良いことしようか?」  美少女(アキラ)は意識的にボクの股間に柔らかな桃尻を押しつけてくるようだ。 「え、ふたりで……」  昂奮で声がかすかに震えてしまった。 「こんなイケメンなのに、なんで童貞(チェリーボーイ)なのかな」 「う、うるさいな。退()けよ。アキラ。いつまでボクの股間の上に乗っている気だ」  このままだと騎乗位と言う体位だ。思わず童貞(チェリーボーイ)のボクは変な気分になりそうだ。 「なに騒いでいるんだよ。玉井(タマ)ショー。気持ち良いんだろう」  さらにアキラはボクを快感の坩堝へ巻き込むつもりなのか。妖艶に腰をグラインドさせて愉しんでいる。 「あ、ああァ……」電撃のような快感が股間から脳髄へ疾走(はし)りぬけていく。パンツの中は漏らしたみたいにだ。もはや誤魔化しようがない。  昂奮で心臓は早鐘みたいに胸板を叩いていた。 「やめろってェ……。いいから退()け。アキラ!」  必死に首を横に振ったものの、いくら拒否しても下半身は正直に反応してしまう。身体じゅうから汗が滲んでいく。  すでにボクの股間は火がついたように熱く火照(ほて)ってしまった。  ボクはカーペットの上へ仰向けに寝かされ美少女がボクの股間の上を(また)いでいた。  ピーチみたいに甘く蠱惑(こわく)的なフェロモンがボクの鼻孔をくすぐっていく。 「フフゥン、玉井(タマ)ショー。キスしたことないんだろう?」  親友のアキラが獲物を狙らう女豹のようにギラリと目を(きら)めかせた。 「な、なにを言っているんだよ」  甘い吐息がボクの頬を撫でていく。今にもくっつきそうなほど唇を近づけてきた。ぽってりとして肉厚で魅惑的な唇だ。美少女にしては、ヤケに(なま)めかしい。 「フフゥン、オレが教えてやろうか。キスの仕方を」 「よ、よせよ。お前は親友だろう。ボクはBLの()はないんだって」  必死に顔を(そむ)けた。  いくら美少女になったからって、幼馴染みの友達と。 「フフゥン、心配するな。オレに任せておけよ」  美少女のアキラは舌なめずりをしてボクの唇をロックオンだ。豊かで柔らかな胸の膨らみがボクの胸板へ押しつけられた。 「ダメだってェ……」  ボクは必死に拒んでいた。  あの夜、地球に無数の隕石が降り(そそ)いだ。  それは『エッチな惑星(プラネット)』へのプロローグだった。  そして惑星(ほし)は一変した。
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