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雌雄同体✨😜✨
「玉井ショーッてチェリーボーイだろォ。どうだ。エッチしてやろうか?」
いきなりアキラは妖しく笑みを浮かべ、キスしそうなほど顔を寄せてきた。可愛らしい顔をしているクセに、なんとも際どい下ネタだ。
「な、何を言い出すんだよ」
ドキッとして思わずボクは仰け反って避けた。このままでは唇がくっついてしまいそうだ。
相手は姿カタチは変わっても、幼馴染みで親友のアキラだ。キスするわけにはいかない。
「ご機嫌だろう。玉井ショー。もしかしたら、この地球上でお前だけかもしれないんだぜ。男は……」
冗談半分だが、アキラは恐ろしい事を言い出した。
「ま、まさか」いくらなんでもそんなことはない。確かにテレビでもネットでも美少女化し、男性のキャストを見ることがなくなった。
「フフゥン、チェリーボーイだと美少女化しないワケじゃないだろうけどな」
顔に似合わず、かなりエゲツない。
「そりゃァ……、そうだろうけど」
小、中学生の男の子も美少女化したと聞く。まさか年端のいかない少年たちも全員、エッチを体験済みとは考えられない。だとすれば、美少女化するのにチェリーボーイか否かは関係ないのだろう。
ボクには、他にも何か特別な因子が備わっているのだろうか。
「やっぱ宇宙から飛来した隕石に付着していた未知のウイルスによって感染したのかな」
まだ研究中だが、隕石が降り注いだ日から感染爆発が続いている。
「フフゥン、そうとは限らないさ」
アキラは意味ありげに笑みを浮かべた。
「え……ッ? 他に原因はないだろう」
「いや、この未知のウイルスは、某国の研究施設から意図的に漏らした生物兵器かもしれないじゃん」
「おいおい、ジョークだろう。そんな都市伝説……。
昔あったB級パニック映画じゃあるまいしSFの見過ぎだぜ」
極秘に研究されていたスライム状の生物兵器が町を飲み込んでいくと言うSF映画だ。荒唐無稽のパニック映画だと思っていたが、今思うと有り得なくはない。
「いや、確かに隕石に付着した未知のウイルスと言えば、みんな天災だから仕方ないと思うだろうけどな。もしこれが某国の生物兵器だとしたら」
「なんだよ。女の子の絶対数が足りないから生物兵器を使って男を美少女化して数を合わせようとしてるのか」
「まァ、感染爆発した所為で今のとこ女子の方が圧倒的に多くなっちゃったけどな。でも雌雄同体らしいぜ」
「雌雄同体ッて、カタツムリかよ」
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