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宮廷へ入ると美しい女官が入ったと話題になりました。
瑠璃子様は天皇の部屋の掃除、ふとんをひいたり上げたりするお仕事でした。
天皇のお手つきになることも夢みながら仕事にはげみました。
瑠璃子様が歩いていると障子のむこうから
「どうかお許しください!」
「よいではないか!よいではないか!」
という男女の声が聞こえ、おなごが犯されていると思った瑠璃子様は障子を勢いよく開けた。
「ここは宮中ですよ!おやめください!」
と瑠璃子様。
「麻呂を大門誠太郎と知って言っているのか?なかなかの美貌ではないか。麻呂がかわいがってやる。」
そう言って瑠璃子様の顎に手を出す誠太郎様の手を払いのけ、短刀を首筋に突きつけました。
誠一郎様のこどもだとわかりさらに頭に血がのぼる瑠璃子様。
「殺すぞ!」
瑠璃子様の鬼のような顔にびびって走り去る誠太郎様。
「(なんて美しくて強いお方なの!)危ないところ助けていただきありがとうございます。私は紫月美佳子と申します。」
「東大寺瑠璃子と申します。大丈夫ですか?」
「はい。宮中に入られたばかりなのですか?」
「えぇ。まだわからないことだらけです。」
「私でよければいつでもお役にたたせてください。」
「ありがとうございます。」
そうほほえむと美佳子様は瑠璃子様に見惚れてしまいました。
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