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紫陽花が咲き始める頃
夏なんじゃないかと思うような暑さが続く今日この頃、いつものように学校を終えた僕はカバンを肩にかけながら最寄りの駅を目指して歩き続ける。
五月晴れのせいなのか、ここ最近気温が高くてもう夏なんじゃないかと思ってしまうほどに気温が高い。
汗がべたりと肌にまとわりついて何だか気持ちが悪く、衣替えが恋しくなる。
帰ったらまずはシャワーを浴びよう。
そんなことを考えていたら僕の脇を小学生と思しき数人の男の子たちが駆け抜けていった。
そのうちの一人はサッカーボールを持っているから、近くの公園でサッカーでもするつもりなのだろう。
閑静な住宅街とは言い難いこの周辺だけれども、生活感があるこの町が僕は好きなんだと思う。
好きな小説の影響なのか僕は閑静な住宅街という言葉の響きが好きで、そんな町に憧れを持っているはずなのに、どうやら僕はそんなに単純じゃないらしい。
読書好きがこうじてか、何かにつけて想像をし始めてしまうのが僕の癖でさっきの子供たちのことを思い出しながらついつい想像を始めてしまう。
宿題はまだ終わっていないけれども、家に帰ってからいの一番にサッカーボールを持って家を飛び出す少年。
きっと家に帰ってから宿題を終わらせずに遊びに出かけたことを親に怒られるのだろう。
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