セイリアスの青天

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 戴冠(たいかん)早々に、王都ルディカを出て、南端のメイデンの古城で防衛戦を続けた。  しかし、この古城は今まさに、アバス軍に攻め落とされようとしている。      セイリアスという国は、長く恵まれた国だった。 温暖な気候、農業にも交易にも適した、高低の少ない移動しやすい豊かな土地。  周辺の国々との関係も良好で、数百年という単位で王国史に、戦争の記録はなかった。 「我が国の防衛対策を、いま一度見直すべきです。外敵に対して、あまりにも無防備に過ぎます」  数年前の王都で行われた軍事会議で、そう警告を放ったのはマリオだった。  マリオは、その発言の後にじっとレオンを見ていたので、レオンはその発言が、自分に向けられたような気がした。
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