エピローグ

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エピローグ

森を出た先にある、花が咲き乱れた丘にひとりの女性がいた。彼女は先端が折れた鍔の広い三角帽子を被り、マントを身に付けている。魔女のようにも見える。彼女は何者だろうか? 今日は何だか騒がしい買い物だった。本当に人間たちは争いが好きな生き物。 「さて、帰りますかね」 私はポケットからアサガオの種を取り出し、パラパラと地面に蒔いた。そして、種の蒔いた場所に杖の先端を傾ける。杖からはジョウロのようにジャーと水が出てきた。 何と言うことだろうか。今、植えたばかりの種から芽が出て来るではないか。 芽はニョキニョキと伸びていく。成長していく蔓は大木のように太かった。アサガオは天に向かってどんどん伸びていき、遂に雲の中に消えていった。 私はアサガオの蔓を登っていく。ほぼ登山ね。足腰が鍛えられて良いトレーニングだわ。何か他の良い方法を考えないと大変! しばらくして私は自分が住んでいる土地に戻ってきた。 「やっぱり、空の上が一番。空気が澄んでいて美味しいし」 私は天空の島の番人カリリ。今日は下界にお買い物に行ってきた。 そうだ。忘れる前にやっておかないと。私、意外と狩りは得意なの。あなた達に言われた通り、覚えていたわよ。 確かあの山の中腹だったはず。ヤママと言う山賊の住みか、古い寺院があるのは…。 私は呪文を唱える。バリバリッ、バリバリッと大気が震えた。何本ものイカズチが地上に降り注ぐ。次の瞬間、ドカーン!と大きな音と共に山から煙が登っていた。 さあ、スイカの苗を植えるとしますか。今年の夏はルリリさまにスイカを食べていただきたいわ。
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