4人が本棚に入れています
本棚に追加
ババババババ
ババババババ……
突然の打たれるような音に、飛び起きる。
夢かと思ったら、激しい打撃音は現実だった。カーテンを少し開け、窓の外を見るが何も見えない。視界を奪ってしまうほどの豪雨が、窓に、ベランダに、地面に激しく打ち付けている。
天気予報の大当たりを嘆きつつ、ベッドへ戻り、スマホの画面で時間を確認すれば、先ほどから2時間程経っていた。時刻は草木も眠る丑三つ時。
だけど、こんなに騒がしくては、草木はきっと眠れない。私だって眠れない。
布団を頭まですっぽりと被って、ギュッと目を瞑る。しかし、雨の音が私の心に激しく打ち付け大きな波紋をいくつもいくつも作っていく。
耳にはイヤホンをしたままなので、布団とイヤホンのおかげで、これでも幾分かは音が小さくなっているのだろう。しかし、外がうるさい。
試しに、先ほどの小川のせせらぎを再生してみたが、ババババババとチョロチョロサラサラが混ざって、なんだか気持ちが悪い。
これでは、全然眠れない。
仕方がないので、小川のせせらぎは諦めることにした。「1/fの揺らぎ」も豪雨にはかなわないということか。
最初のコメントを投稿しよう!