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私の周りには、ババババババと激しい豪雨の音が渦巻く。家が壊れてしまうのではないかと思わせるような激しい打ち付けに、思わず布団をきつく握り、カタツムリのように布団の中で身を固くする。
一向に収まる気配のない雨音は、完全に私から睡魔を追い払ってしまった。
それどころか、どうやら雷様を連れてきてしまったようで、突然バーンと大砲を打ったような大きな音を辺りに響かせた。
雷様の威力は絶大で、窓がビリビリと振動する。どこか、近くに落ちたのだろうか。
イヤホンを耳栓代わりにギュッと耳を塞いでみても、一向に静かにならない外の宴会に、私は堪らず布団を飛び出した。
私には、まだ伝家の宝刀が残っている。
本棚の前に仁王立ちになり、分厚いファンタジーものの本を取り出す。
もう何度も読んだが、何度だって物語の世界に没頭できるこの本は、周りの音を遮断してくれる、私にとって伝家の宝刀なのだ。しかし、時間感覚さえも遮断してしまう諸刃の剣でもあるのだが。
物語の世界に深く入り込んでしまい、何度も夜を明かしてしまったことがあるこの本を読み始めれば、雨音も雷も気にならなくなる。
そう信じて、私は急いでベッドへ戻る。布団を深く被り、布団の中をスマホのライトで照らす。
とっても読みにくいけれど、向こうの世界に行くまでの辛抱だ。
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