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パラパラ
本をキリのいいところまで読み終えて、ふと顔を上げる。
やはりこのフワフワの白いタオルは、集中するのにもリラックスするにも必要不可欠なアイテムだ。
タオルの端を触りながら、集中できていることに満足する。
すっかり冷めてしまった少し酸味のあるローズヒップティーを口に含み、そう言えばと腰を上げて窓へと歩み寄る。窓に掛かるレースのカーテンを少し開け、外を眺めてみるが、随分と暗くなっていて窓越しにはよくわからない。
ほんの少しだけ窓を開けてみれば、すぐにその音は室内へと入ってきた。
パラパラ……
気弱な雨が、ベランダを打つ音がする。
まだまだ大丈夫だ。
窓をそっと閉めて、私はローズヒップティーをもう一口飲むと、再びソファに腰掛け続きのページを開いた。
パラパラ、パラパラ……
先ほど室内へ入れてしまった雨音が、私の気を引こうと懸命に音を奏でている。
まだまだ、これくらいなら大丈夫。
それでも念のためと、被っているタオルを顎の下でキュッと結び、ほっかむりよろしくしっかりと耳を塞ぐ。程なくして、案の定私は本の世界へのめり込んでいった。
ページを捲る手が最後のページを捉え、私が再び顔を上げた頃には、時計の針は随分と進んでいた。
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