シトシトシト

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 私は自身を戒めつつ、急ぎ気味に夕食を平らげる。それから、少し雑に洗い物を済ませると、浴槽の準備を整え、また、パタパタとスリッパを鳴らしながら自室へと駆けこんだ。  天気予報を全面的に信じるのであれば、雨のピークは深夜を過ぎた頃になるはずだ。それまでに、眠ってしまわなくてはならない。つまり、時間を逆算すると、長風呂の私は今すぐにでも風呂に入らなければ、リラックスタイムを逃すことになるかもしれないのだ。  慌ててメイクを落とし、パジャマとスマホを手に、またパタパタパタとスリッパを鳴らして、今度は脱衣所へと駆ける。  脱衣所で服を脱ぐ前に、もう一度出窓から外を確認する。雨は相変わらずシトシトだったが、気のせいか、水たまりにできる波紋が大きくなっているような気がした。  まだ大丈夫だろうか。  一抹の不安を抱えながらも、のんびりとはしていられない。私は、勢いよく服を脱ぎ棄て、浴室のドアをパタリと閉める。  ザバザバと勢いよくかけ湯をしてから、シャワーをキュッと捻る。途端にサァァァとシャワーが雨のような温水を吐き出した。  似たような音なのに、どうしてシャワーの音は平気なのだろう。
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