サーサーサーサー

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 しかし、私はそんな合図を無視して、額の汗を手の甲で拭うと、湯船の端に腰かけて、半身浴へと切り替える。  汗がポタリと湯船に落ちる。まだ、大丈夫。  それからしばらくして、すっかり汗も引き、体が冷えてきたので、もう一度チャポンと体を湯船に沈めた。あと1曲流したら、リラックスタイムは本当に終わり。  最後に、シャワーからサァァァと出た温水で体を軽く洗い流すと、シャワーを止めて、浴室を出る。  音楽はかけたままだというのに、途端にサーサーサーサーと窓の外の音が耳につく。  体と髪を手早く拭き、パジャマを着ると、出窓に近寄り外の様子を伺う。 雨の線が幾筋も見えた。  しっかり雨降りだ。  だが、まだ大丈夫。これくらいの音ならば、眠りの妨げにはならないだろう。  雑に化粧水とクリームを顔に塗り、ドライヤーで髪を乾かす。本当はドライヤーの音も少し苦手。だから、なるべく短時間で済むように、もう少し髪が乾いてから使いたいところだけれど、今は時間が惜しい。仕方なく、バサバサとタオルで髪を拭きながら、温風を浴びた。
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