ザーザーザーザーザー

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ザーザーザーザーザー

 どのくらい寝ていたのだろうか。不意にザーザーザーという雨音で目が覚めた。スマホの画面を光らせて時間を確認すると、急いで寝る支度を整え、ベッドに潜り込んでから3時間ほどが経っていた。  何故だか雨音に敏感な私は、少しの雨音でもこうして目が覚めてしまう。日中の雨音でも不安に駆られ顔が曇るのだが、深夜の雨音は特に私の不安を煽る。外の音が気になりすぎて寝不足になることも稀にある。そのため、深夜に雨が降りそうなときは、早めに寝て睡眠時間を確保しているのだ。  案の定今日も雨音で目が覚めた。仕方がないので、一旦ベッドから起き上がると、そのまま、トイレに行く。  窓の外では勢いの増したたくさんの雨粒たちが、我先に地表へ到達しようと、先を競っている移動しているような音がしている。  ザーザーザーザーザーと雨粒たちの大移動の音が、寝ぼけた私を次第に覚醒へと導いていく。  しかし、時刻はまだ深夜。できることならば、私はゆっくりと眠りたい。  用を足し終わると、目ボケ眼を擦りながら部屋へと戻り、机の上にいつでも手に取れるようにと置いてある、小さな双子の救世主を手にした。
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