ふわふわと溺れて

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　希空は、卒業記録に『時空を駆けたい』と書いた。
　過去への時空旅は存在するものの高額で、金持ちの道楽のようなものだ。
　今はそんな大金を準備できないが、いつか少し気軽にそれができるようになった時にでも、自分が生きている間に一度くらいは時空を駆けてみたいと思っている。
　一昔前に流行った移動手段、メレンゲ。
　今も空をメレンゲが走っているが、その数は減った。
　メレンゲ乗りは時代遅れ。
　今は白いホバーボードが規則正しく、地上すれすれ、街を駆ける。

　世の中はどんどんと、変わっていくものらしい。