Highlander JK【Japan Knight】

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あれからさほど時間は経過していないが繁華街とあって応援の警官が男を取り囲むには十分な時間だった。 男の周囲には身内が2名横たわり、内1人は頭部を切断されていた、この状況に冷静な警官は1人として居ない誰もが法外の処分を望んでいる。 警官隊は野次馬を排除する一方で男への包囲網をジリジリと狭めて行く。 「武器を捨てて投降しろ!」 犯人が外国人である事は十分理解していたが警官隊の誰一人として英語もしくは他の外国語で投降を呼び掛ける者はいなかった。 男は呼吸を整え先程とは逆に囁くようにそして同じ言葉を呟く。 「there can be only one・・・」 男は中腰に立ち上がると倒れ込むようにさくらへ斬り掛かる、警官の数名がそれに反応して銃弾を男の背中や後頭部へ撃ち込むとドサッと肉塊がさくらの横に転がり男の手に握られていた剣は甲高い金属音と共に取り囲む警官隊の足元まで滑走してきたこれを合図に一斉に警官が男へ飛びかかるも男は驚くべき事に後頭部へ銃弾を受けながらも意識があり軽く抵抗をしたがやがて力尽き沈黙した。 辺りは更に野次馬と警官が増え救急隊も混じり喧騒に満ちていたがさくらの時間は数分前から静止したままで惚けて路上にへたり混み救急隊員の声にも返答はなく環の方向を指さしては何か言葉にならない言葉を発している。 救急隊員がさくらの頬にガーゼをあてる、先程男が倒れかかってきた時剣の切っ先が掠めたようでその切創は5mm程の深さで鼻の横から水平に5cm程肌がぱっくり割れ出血は少なかったが10代女性の顔に傷はあまりにもと救急隊員は処置を急ぎストレッチャーに乗せて救急車へと運んだ環と警官2名の遺体は既に運び出され現場はブルーシートに包まれ、その中心ではあの男がまだ搬送されずにいた。 通常なら男も搬送されて当然であったが警官隊の心情は辺りに散乱するゴミと一緒にこの場に置き去りカラスや野良猫に食い荒らされ朽ち果てるが当然の処遇だという心持ちであったが一通りの実況見分を終えると男は然るべき場所へ運ばれて行った。
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