Highlander JK【Japan Knight】

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さくらと4体の遺体は大学病院へと運ばれると命ある者は上部の病棟へ命無き者は地下の監察医の元へ運ばれた、監察医は遺体を見るや「何時代だよ!」と歓喜とも悲観とも言えない声をあげさくらは鎮静剤を投与されてベットの上から揺らぐ天井を眺めやがて眠りの世界に落ちてゆく。 窓 もなく四方は壁で包まれる地下の法医学解剖室、日差しは期待できないがLED照明が煌々と室内を照らし眩しいくらいだった、もう少しで終業を迎える筈だった監察医は明らかに死因のわかる4体を目の前にため息をつきICレコーダーを傍らに渋々見聞を始めた、順番は警察から聞いた暫定的な殺害時間の早い順から即ち環から始まった。 「体重72.5kg、身長ぉ⋯175.8cm、えっと深部体温35.4℃、CTはどうしますか?明らかに死因は頸部切断による出血性ショックと思いますが?⋯はいはい、では切断部の見聞を開始します、えっー表皮に異常は⋯ないね綺麗に切れてる、筋肉も異常ないね、良くこんな綺麗に切れたね両刃の直刀でしょ日本刀でもないの⋯あっちょっと待って第三頚椎がズレてるね、正面から切られたの?犯人左利きかなぁ?左から刃が入って第三頚椎に当たって右にズレてる、あぁ頸椎に切創があるわ普通ここで刃は止まるだろうけど⋯普通斬首って頸椎の間切るんでしょ?これはギロチンと一緒だね力任せと言うか、いや凄い力だ⋯」 しかしこの解剖室で監察医、立会の警官すら4番目に診られる加害者の遺体に起こっている異常に気付くものはいなかった。
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