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その巨人は自軍敵軍見境なしに斬り捨てながらこちらへ向かってきた、それを見ていると再度胸に痛みが襲った痛みは益々増していき鼓動は激しく今にも心の臓が胸を突き破り飛び出してきそうだ、何だこれは私は意識が遠くなるのを覚えた巨人は隣の船まで迫りここで私が闘わなければ周りにいる兼三郎はおろか次郎太、杉、五十子、薩摩を一緒に出てきた仲間が危うい特に兼三郎は母親に泣いて頼まれていた絶対に失う訳にはいかない、しかししかしだ心持ちとは反対にその意識は⋯あぁぁ皆すまない…
「生き残るのはただ一人!」
微かに残る意識の中、敵兵でありながら大和言葉を耳にしたが私は自分の腹を貫かれるのを見た⋯痛みはなかった…
「さっさくだぁぁぁー!!!」
「さくらを守れぇぇ」
⋯いいんだ、いいんだ皆、其れよりも逃げてくれ、逃げて生きて薩摩へ…
⋯⋯あぁ桜島もう一度見たかったぁぁ…
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