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第二噺 空き家
これは建築関係の仕事をしている、Kさんという男性から聞いた話だ。
彼が高校生まで住んでいた実家の道路を挟んで向かい側には、一件の空き家があった。
木造二階建てで、特徴といえば赤い屋根ぐらいの至って平凡な家。
庭は背の高い草に覆われており、奥に見える倉庫のようなものの屋根は老朽化によって潰れ始めている。
敷地に入ってすぐにある手作り感あふれるも木の屋根があるトイレは、いかにもといった雰囲気を放っていて微妙に薄気味悪い。
母屋はしっかりと建っているが、あちこちに汚れやヒビが入り、屋根の瓦は所々剥がれていた。
窓はカーテンで閉め切られており、中の様子は全く分からない。
家の壁際にはバケツや錆びついたスコップなどが放置されており、それもまたこの家の雰囲気を出すのに一役買っていた。
玄関には頼りなさげな鎖が南京錠と共にかけられており、一応は入れないようになっていた。
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