2人が本棚に入れています
本棚に追加
2 『だいまおうとのたたかい』
クズオとモブオは、だいまおうのとりでのちかくにきました。
「モブオ、やくそくどおり、ひめたすけたら、おれがひめとけっこんして、しょうきんはぜんぶオマエな」
「うん」
「ヨッシャ、いこか」
ふたりはもんばんたちをやっつけ……たりはせず、ワイロをわたし、とりでのなかへはいりました。
とちゅう、たくさんのワナをくぐりぬけたり、たくさんのこぶんをたおしたり……はせず、こぶんたちにワイロをわたし、おしえてもらったうらぐちから、だいまおうのまにたどりつきました。
とびらをあけると、ふたりは、いきおいよくなかへはいりました。
「ひめー、だいじょうぶですかー!?」
「たすけてー!」
だいまおうにかかえられながら、ひめが、クズオたちにむかって、さけんでいます。
「ハイッ、おまかせくだ……」
クズオは、さいごまでいえず、かたまってしまいました。
なぜなら、ひめのかおが、はげしくブサイクだったからです。
「どないしてん?」
モブオがたずねました。
「アレはアカン。オレのキャパこえてるわ。やめよ。かえろ」
「でも、ひめピンチやん」
「みてみぃや、メッチャブサイクやん。だいまおうとたたかってまでたすけなアカンもんちゃうで」
「せやけど……ひととしてどうなん、それ」
「あとは、オマエにまかすわ。じゃあな」
クズオがとびらへむかうと、とびらがしまりました。
「おわっ、なんやねん。あ、あかへん!」
「フッフッフッ、もうにげられんぞ。かくごしろ!」
だいまおうが、おそいかかってきました。
ふたりはなんとか、こうげきをかわしつづけていましたが、クズオがあしをくじいて、うごけなくなりました。
「ハッハッハッ、もうおわりだー」
だいまおうは、よゆうたっぷりに、クズオにちかづいていきました。
モブオは、ゆだんしたすきをつき、ひめをかかえていた、だいまおうのみぎうでに、とびげりをして、だいまおうのうでからおちたひめを、だきとめました。
「ひめ、だいじょうぶですか?」
「はい、ありがとうございます」
「きさまらー、よくもやりやがったなー!」
だいまおうのいかりは、ちょうてんにたっし、さらに、こうげきがはげしくなりました。
にげまわっているとちゅう、モブオはあしをすべらせ、ゆかにあったボタンを、おしてしまいました。
すると、だいまおうがたっているゆかが、したがわにひらき、「おわーーっ!」というさけびごえとともに、だいまおうが、ふかいあなのなかへ、おちていきました。
「たすかった…」
モブオは、そのばにひざをつきました。
クズオ、モブオ、ひめのさんにんは、ひめからきいたぬけみちから、とりでをぬけだしました。
最初のコメントを投稿しよう!