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「あの〜、今の世代には分かり難いですよそのボケ。それより何か食べても良いでしょうか?」
「も、もちろんす。君の事も直ぐにでも食べちゃいたいぐらいっす」
「ボケのところはスルーですか。かなりアホですね。私そこの出店の焼き鳥が食べたいです」
「もちろんすよ。君の太腿も後でペロペロご賞味したいっす」
「店員さん、一本ください」
「お、俺っちは園子ちゃんのすらっとした二本の足の方で」
「薬味つけても構いませんでしょうか?」
「薬味でもそのふくよかなお二つのスイカでも」
「これは、私の主人から頂いた薬味でして」
「ん?薬包紙に包まれたこの怪しげな粉は……塩、であってますよね?」
「ふふ。どうぞ」
「……?」
俺はノリも頭もアホだが、直感だけはアホではない。
ザゴォーーと境内を取り囲むように生えた雑木林や竹藪の葉を揺すっている風は、まるでヤバいんでないの〜と嘲笑っているようで――。
「どうなさいました?ほら、早く」
園子ちゃんの意味深な微笑に瞬間にして背筋が凍る。色白で可愛いって思っていた園子ちゃん、しかしよくよく見ると、身体、身体が若干透けている。ま、まさかとは思うが幽霊さんじゃ!!俺は高速で頭をめぐらす。
俺、幽霊さんを怒らすような失礼なこと……。
言ったな!結構言ってたな!殆どセクハラ案件だったな!
俺は藁にも縋る思いで叫んだ。
「おい、龍神、早よう戻って来いや!」
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