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『いや~、申し訳ない。台風様の説得に時間が掛かっております。お待たせするのも忍びないので、各ペア適当に情熱キッスタイムで盛り上がっちゃってくださいな』
「出来るかーっ!」
『拒否したら――』
「死刑だろ!拒否しなくてもどのみち一緒なんだよ。おい、幽霊、テメー唇にその粉塗るんじゃねえ!――は?どうぞお召し上がれじゃねえんだよ」
ゴキ男!ヘルプミー、ゴキ男ーっ!
ゴ……!?
俺は刮目した。
もう一匹、ゴキがいる。それもミニーちゃんのリボンをつけた……。
それは恋愛映画で言うところの再会シーンさながらで。ただ一つの違いがあるとすれば、イケメン&天使ちゃんが、ゴキメン&ゴキちゃんに入れ代わっているという悪質かつ最悪なシチュエーション。
「ゴ、ゴキ子!!」
「ゴキ男さん!!」
「ずっと君を探していたんだ!!さっき君の超音波が聞こえたから……!!もしやって思ったが」
ま、待て待て待て!
超音波ってなんぞ?
あ、あれかイルカの鳴き声のようなゴキ特有のそういうものがあるのか?
それにゴキ子ってまさか、ゴキ男さんがタマムシのように美しかったと形容してたワンナイトの相手じゃ!?
『は~い、お待たせしました。田中彰のニュースそうだったのかのお時間です。この超音波というものはですね、うづきあおさんの「かむありじま」という作品を読めば忽ち「あ~なるへど~」と掴めちゃうやつなんで読書よろ』
「りゅ、龍神、テメー雑過ぎるだろその説明!!」
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