時姫様

2/2
前へ
/21ページ
次へ
モグモグ――結構美味。 ん? この焼き鳥って……? 『さ~嵐もおさまり有栖川園子ちゃんもお帰りになったようなので――』 あ、有栖川? 「おい、龍神!嵐がおさまり云々ってどういうことだ?」 『園子ちゃんは嵐の夜にしか現れない幽霊です。園子ちゃんの主人は毒殺されて』 「ちょっと待て、さっきの白い粉って」 『なんでしょうね~。お楽しみください』 「……」 『それでは本日最後のメニュー、カップリングタイムで~す』 嘘だろ?俺は此処で死ぬのか? うう、喉が焼けるように熱い。苦しい……。 何やら俺に駆け寄ってくる馬鹿でかいゴキが視界に入る。 号泣の様相で「勉ーっ、聞いてくれーっ。ゴキ子の機嫌を損ねてまった。お、俺はどうしたら」とか言っているがもはや構っている余裕などない。 『は~い、3 、2、1、終了!お待たせいたしました。此処であの伝説の企画、情熱キッスタイ~ム。目の前の相手に情熱キッスを~♪』 「おい、勉、聞いているのか?そ、そうか。今は情熱キッスタイムだったな!」 「――」 「仕方ない、とりあえず此処は一発かましとくぞ」 「――」 おっふ――。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加