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ゴキオとゴキエット
束の間意識が混濁していた俺が覚醒すると眼前でゴキ男さんが口から泡を吹いて倒れていくところだった。何があった?状況が掴めない。ゴキ男さんが俺に何か言っている。
「つ、勉、盛りやがったな」
記憶が蘇る。そう言えば焼き鳥を食べて……。
ゴキ男さんに駆け寄って来るもう一体の似たような物体は、ゴ、ゴキ子か?
「ゴキ男さん!ごめんなさい、ちょっとツンデレのツンをしてみたかっただけなの。ゴキ男さんしっかりなさって、お願い!」
そうか――と俺は納得した。情熱キッスタイムでゴキ男さんに唇をぶっちゅり吸われた結果俺は助かったのだろう。否、ゴキブリに唇を吸われた時点で死んだも同然だが。それよりも……。
「ああ、ゴキ男、ゴキ男、どうしてあなたはゴキ男なの?」
なんだこの何処かで聞いた事がある台詞は……。
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