龍神様

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『え~、それでは龍神祭メインイベントを開催したいと思います。昨年は台風様がご来場なさって会場は大荒れでしたが、今回は出禁にしておりますので皆様ご安心ください。いや~このコンパには想い入れがありますね。私めは250年前のコンパでワイフと出逢った訳でありまして――あっ、失礼しました。私事です――』 『おお、田中さんはそうでありましたか。お幸せそうで何より、私も早く良い縁にめぐり逢いたいものですぞ』 『いえいえ、恐縮です。鶏の神様』 「はい。という事で良い子の俺はそろそろママに怒られますので帰らさせて頂きます」 「馬鹿野郎、勉はすでにエントリー済みだから終わるまでは帰れんぞ」 「は?いつエントリーしたんすか?」 「お前、旅館の部屋で壁に貼り付けてあったポスターに言ってたじゃねえか。俺の名前は、はわたーーり、つと~む!ってな」 「なんであれで!」 「そういうもんだ」 「意味わかんないっす。俺は街コンならぬ島コンだと思って来たんすよ。神コンなんて聞いちゃいないっすよ」 「別に俺は構わんが、途中辞退は厳しいぞ、島流しだからな」 「いや、もう神在島に居る時点で一緒です。しかも田中さんあいつ人間じゃなかったんすか?250年前のコンパでワイフに出逢ったって言ってましたよね?」 「馬鹿、声がデカい。田中さんこそが龍神様だ」 「……」
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