廃校

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廃校

 5時間ほどかけてたどり着いたその場所は、草木が生い茂った場所だった。 そこにはすでに1台の車が止まっていた。金森の友人が乗っていた車だ。 私達も急いで車から降り、先についているメンバーのもとへ向かった。 集合場所へ向かっている途中、風が吹くたびに聞こえる木々のざわめく音が私の恐怖心を増幅させた。 やはり映像で見るのと実際に自分が来るのでは全く違う。 今の私にあるのは1割の好奇心と9割の恐怖心だ。 先頭を歩く坂本さんの懐中電灯が、先についていたメンバーを照らした。 「おーい、お待たせ。他の奴らはどうした?」 私達の車は最後に大学を出発した。  しかし、そこにいたのは5人だけだ。他の参加者はどうしたのだろうか。 後ろを歩いていた神田さんも他の人達を探すように懐中電灯で辺りを照らしていた。 「いやー、ここに来るの反対してたメンバーいたじゃん?  あっちはトンネルの方に行ったみたいでさ。  ここに来たのは俺たちとお前らだけ」 どうやらサークル内でこの場所に来るのを反対していた人たちのグループは、他の心霊スポットに行ったようだ。それもここより近い場所にある有名な心霊トンネルのようだった。 私は強く思った。そっちのグループに入りたかった……と。 廃校・廃村コースの参加者は私を含め10人となった。 「どうする?全員で行っても面白くないだろ?  どっちかが先に行って、もう一方は先に廃村行くか?」 先についていた金森のところの人がそう提案した。 神田さんの言っていた通り廃校と廃村は場所が近いらしく、お互い交互に行くことになった。 「そうだな、2時間後にまたここに集合でいいか?」 「あぁ、そうしよう。じゃあ僕らは先に廃校で」 どうやら私たちのグループは際に廃校へ行き、後から廃村へ行くようだ。 話がまとまってすぐに私たちは坂本さんに誘導されながら廃校へ向かった。
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