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宿屋のウンディーネ
陽の光も入らない森の奥深く、精霊ウンディーネは古びた小屋に看板をかけて冒険者を待つ。
宿屋ウンディーネ。
たった一部屋にポツリと置かれた簡素なベッド。
森はいつだって陽の光が入らない湿った匂いがしていたのに、ベッドのシーツはふっくらと来訪者を誘惑している。
ほんのひとときの安らぎ。
宿屋ウンディーネのモットーだ。
ウンディーネはピーピーと音を立てるやかんを火から下ろす。
ウンディーネが振り返ると、タイミングよく窓際の三つの鉢植えからマンドラゴラが出てきた。三匹のマンドラゴラは待ってましたと言うように、ウンディーネの側に行きやかんを預かった。
彼らは、何処にともウンディーネが言わなくとも持って行く先が分かっているようだ。
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