宿屋のウンディーネ

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すると、みるみると顔にハリと瑞々しさが戻っていく。 あっという間に、老婆の姿から若い女の姿に変わった。 玉の肌に艷やかに光るブロンドの髪の美しい女性だ。 どんな男も心奪われるに違いない。 しかし、素手でそのへんの草を貪る姿は気品の欠片もない。 髪が垂れてくるだけでも、イライラした様子でハーブを食べている。 「神に仕えるニンフが目も当てられない姿ね」 ウンディーネは、テーブルの上からをハーブを一掴みながら皮肉る。 ニンフの女は、反論することなく相変わらず口いっぱいのハーブを咀嚼して、ウンディーネに対してジト目を送るだけだった。 ウンディーネは、怖い怖いとわざとらしく肩を竦めた。 それからキッチンに立ち、水瓶から水を汲み、手に取ったハーブの花びら数枚を一緒に小鍋に入れた。 それをスープの隣で火にかける。 少量の水はすぐに音をたてて沸騰した。 ハーブの色もあっという間に移っている。 ウンディーネはちょうど良い濃さで火を止めて、二つのカップに注いだ。 「お茶もどうぞ?」 ニンフの前に、真っ白なカップに入れると鮮やかなコバルトブルーがよく映えていた。 ニンフは、またしてもフンと鼻を鳴らす。
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