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至極真剣な顔をした羽理からそんな言葉を投げ掛けられた大葉は、思わず言葉を失って。
しばし後、やっとの思いで「何でそうなる!」と抗議したのだけれど。
(そもそも上司の手料理が食える部署ってどこだよ!?)
口に出せばいいのに、ヘタレゆえ心の中で盛大にツッコミを入れている大葉へ、羽理が
「だって……」
つぶやくなり、どうしたら良いか分からないみたいにソワソワとコチラを見て身じろぐから。
その様が愛らし過ぎて、羽理の顔をしたミニミニキューピッドが、ズキューン♥と心臓を撃ち抜いたのを感じた大葉だ。
それは恋の矢で、というよりライフル銃で狙撃されたのに近い感覚で。
羽理と出会ってからこっち、大葉の心臓はミニ羽理が仕掛けてくる恋の矢やらバズーカ砲やらの的にされまくりで、正直満身創痍だ。
締め付けられるように痛む心臓をギュッと押さえつつ――。
(やばい。モジモジする荒木が可愛すぎて身が持たん……!)
となった挙句、
「俺に同棲してる彼女がいるってデマを流したのはお前だぞ? 責任を取れ!」
とまくし立ててしまっていた。
それだけならまだしも、思わずついでのように
「そ、それにっ! 〝裸男〟ってのは何だ! いつもいつも俺の前で裸を見せつけてくるお前だって立派に〝裸女〟だろーが! お、俺がっ! どれだけお前に手を出しそうになんのを我慢してると思って……!」
思わず、『ここでそれ!?』と皆から突っ込まれてしまいそうなセリフを吐いて羽理を固まらせてしまう。
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