14.いなくならないでくれ

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 結局〝一緒に過ごすのが一番の薬〟案件のあと、大葉(たいよう)の愛車――ニチサン自動車のエキュストレイル――に乗り換えて出直した二人は、会社から大分離れた別のディスカウントショップ『Yasu(ヤス)』へ向かった。  会社や大葉(たいよう)の自宅から車で三〇分近く走った距離。  むしろ羽理(うり)の家の方が近い場所へあるYasuを大葉(たいよう)が選んだのは、きっとその帰りに羽理宅へ寄って着替えなどを調達させるためだろう。  Yasuは売り場の総面積もかなり広く、化粧品も種類が豊富で。何ならスーパーも併設されているので、アスマモル薬局より多種多様な生鮮食品が並んでいた。  ついでに言うと電化製品や衣料品、ペットコーナーもある、割と雑多な品ぞろえのディスカウントショップだ。  羽理(うり)御用達(ごようたし)のメーカー【Kira Make】の売り場で先程購入済のファンデーション以外の化粧品――オールインワンジェル、口紅、アイブロウ、アイシャドウ、チーク、メイク落としなど――をカゴに入れたのだが、気が付けばそれらの化粧品と混在する形で美味しそうなホワイトマッシュルームも入れられていて。  何だか変な組み合わせですね!?と思いながら、気持ち大葉(たいよう)からカートに載せられたカゴの中を眺めていたら、「あー。ついでだし白ワインも買って帰るか」というつぶやきとともにアルコールコーナーへ連れて行かれた。
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