15.腹黒課長の猛攻

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 それで結局元通り。  大葉(たいよう)への申し訳なさに(さいな)まれる無限ループに(おちい)った羽理(うり)は、しゅんとしたまま朝食を食べ終えて。  そのテンションを引きずりながら、朝の支度(したく)をしたのだけれど。  とりあえず服は前日とは違うものに着替えられていたから大丈夫だと踏んでいたのに、まさかシュシュのことで仁子(じんこ)から妙な指摘をされてしまうだなんて、ハッキリ言って想定の範囲外。青天の霹靂(へきれき)だった。 *** 「私、勘が鋭すぎる仁子(じんこ)のこと、時々すっごく怖くなる……」  思ったままを口の端の乗せたら、仁子がニヤリと笑って。 「ふふふ。怖がらせついでにもう一つ言い当ててあげましょうか?」  とか不気味なことを言ってくる。 「え……?」  この()に及んでもう一つだなんて……一体何があると言うのだろう?  そう思った羽理(うり)に、仁子がふふんっと鼻を鳴らせて言い放ったのだ。 「ねぇ、羽理。貴女、裸男さんと一緒にいたら胸が痛くなったりしない?」 「……っ!!」  羽理が明らかにそうなったのは、それこそ昨夕から。  仁子と一緒の時にはまだ、その症状は出たことなんてないはずなのに。 (っていうか私、仁子に裸男が部長だなんて言ってないよね!? もしかして……そこも気付いてる、とかじゃ……ない、よ、ね?)  的確に裸男(大葉(たいよう))由来のについて言い当ててきた仁子に、羽理は色んな意味でサァーッと青褪(あおざ)めた。
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