2.突然の邂逅…しかも全裸で!

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「あ、あれ!? どこ行ったの!?」  先日神社でぽっちゃりしたおばあさんから買った可愛い可愛い猫の縁結びキーホールダー。  早速普段仕事へ持参しているカバンのファスナー部分に取り付けていたのだけれど。  家に帰ってみたらさくらんぼ状態から、ただのおひとり様な招き猫キーホールダーになっていた。  ショック……。  買って二日目でこんな……。 (これは干物女(ひものおんな)に良縁なんてありませんよ、という暗示ですかね?)  羽理(うり)はガックリと肩を落とした。  とりあえず、残ったひとつが落っこちたりしないよう、お財布のファスナーに移動させたのだけれど。 (効力も半減かなぁ)  何となくそう思ってしまった。 ***  その日は夏らしい、とってもとっても暑ぅーい夜で。  羽理(うり)はお守りを失くしたショックと、残業で疲れた身体に(むち)打って、小さな浴室で一人今日一日の疲れと汚れを落としていた。  せっかくお風呂で汗を流しても、下手をすると身体が温もりすぎて、タオルで水気を拭き取っている間にも汗ばんできてしまうから。  もう、いっそのことお湯には浸からなくてもいいよね?って事で、湯船にお湯を溜めずにぬるめのシャワーで汗を流して。  さぁ上がってご飯にしましょ、と浴室のドアに手を伸ばした瞬間。  ガラガラ――。  一〇階建ての女性向けアパートの七階――1Kの一室――で一人暮らしのはずなのに、何故か脱衣所へ続く中折れ扉が勝手に開いて。  「え?」と思う間もなく全裸のびしょ濡れ男が「(あち)ぃー」とつぶやきながらこちらに向かって一歩を踏み出して来た。
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