17.ちぐはぐな二人

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 何となく柚子(ゆず)に引け目を感じてしまっている羽理(うり)は、大葉(たいよう)を前に復活した不整脈も手伝って、彼のそばには座りたくないと思ってしまった。  そもそも下着がないまま、直に身に着けるしかなかったチュニックとレギンスが、(やったことはないけれど)裸タイツの気分で非常に落ち着かない。  何ならレギンスが股に食い込んで気持ち悪くて……歩き方もおかしくなってしまう。  それでわざわざ大葉(たいよう)から距離を取るようにローテーブルを挟んだ向かい側に座ったのだけれど――。  床に置かれた座布団の上にペタリと座ったからか、キュウリからやたら際どい所を責め立てられると言う羞恥(しゅうち)プレイを受けてしまった。  ついでに――。 (何でキュウリちゃんを抱いたまま私の横に来ましたかね!?)  大葉(たいよう)にSOSを出したのは確かに羽理だ。  だけど――。  愛犬を抱いた大葉(たいよう)が、わざわざ自分の隣に座るだなんて想定の範囲外。てっきり大葉(たいよう)はソファに戻ってくれると思っていたのに。 (心臓がバクバクするので離れて欲しいですぅー)  思いながら、羽理は尻を床に付けたままジリジリと大葉(たいよう)から距離を取った。 *** 「ところでたいちゃんと羽理(うり)ちゃんって……付き合ってるの?」  どうやらこの二人、急接近の原因はたまたま。何らかの要因で無理矢理結びつけられただけらしい。  だけど、どう見ても可愛い大葉(おとうと)は隣に座る女の子を意識しているし、弟が好意を寄せているようにしか見えないその子にしても、それは同じに見えた。  なのに――。
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