18.飛ばしすぎ?

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「私は、大葉(たいよう)のことが……好き?」 「俺が他の女とどうこうなるのが嫌だって思うんならそうだな」  大葉(たいよう)の言葉に、羽理(うり)はギュゥッと胸元を押さえる手指に力を入れた。  柚子(ゆず)と一緒にいる大葉(たいよう)を見た時。柚子から「たいちゃん」と親し気に呼ばれている大葉(たいよう)を見た時。柚子のことを大葉(たいよう)が同じように呼び捨てした時。  美男美女にしか見えない二人が、お似合いだと思ってしまったのと同時に湧き起こってきた、何とも言えない()る瀬ない気持ち。  そんな時に大葉(たいよう)から告げられた約束反故(ほご)の連絡は、羽理を完膚(かんぷ)なきまでに叩きのめしてズタボロにしたのだ。  そう言うのを一気に思い出した羽理は、またあんな想いをさせられるのは耐えられないと思って。  小さく「イヤ……」と答えてポロリと涙を(こぼ)した。 「そっか……。だったら話は早い」  大葉(たいよう)が羽理の涙をそっと指先で(ぬぐ)って微笑する。 「え……?」 「羽理、俺を独り占めしたくないか?」 「ひとり、じめ?」 「ああ、そうだ。その代わりお前も俺だけのモノになる。そう言う夢のような関係を、俺はお前に与えてやれる。――なぁ、羽理。お前はそれが欲しくないか?」 「……そんな関係が……本当に得られるの?」 「ああ、得られる。しかも、今から俺が言うことに『はい』か『イエス』か『うん』のどれかで答えればいいだけだ。――出来るよな?」  羽理が涙でアーモンド型の瞳を(うる)ませたままコクッと(うなず)いたのを確認して、大葉(たいよう)は静かに問いかけた。 「――荒木(あらき)羽理(うり)さん、俺としてくれますか?」
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