3.半裸・ノーブラ会議

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「その口ぶり。お前は……俺を知っている人間ということか。――最悪だな」  盛大に溜め息をつきながらそう言った屋久蓑(やくみの)部長が、目の前に立つ羽理(うり)からふぃっと視線を逸らせて。 「なぁ、すまんが突っ立ったまま話されたら……その……目のやり場に困る。とりあえず座ってくれないか」  トントン、と机上を指先で叩きながら、自分の正面へ座れと(うなが)してくる。  どうやら目の前に羽理の太ももがきているのがいけなかったらしい。 (部長ってば見た目は怖いのに案外純情なところがありますね!?)  と思ったと同時、(じゃあ、やっぱりアレは……もしや私の裸を見てお()てになっていらしたのでしょうか!?)などととんでもないことを考えてしまった。  それでだろう。  エッチシーンありなティーンズラブ作家としての本能か。  半ばネタ探しの取材気分。 「あ、あの……私が立ったままで居たら、もしかして部長の部長も()ってしまいますか!?」  などと有り得ないことを問いかけてしまったのは。 *** 「はぁ!?」  最初から妙な女だとは思っていた。  そもそもこの部屋からしておかしい。  やたら猫だらけで落ち着かないことこの上ないではないか。 (せめて犬にしろ!)  などと思いながら、今現在その三毛柄のタオルに辛うじて大事なところを覆って頂いている事実を思い出した屋久蓑(やくみの)大葉(たいよう)は、他人様(ひとさま)の家の趣味にケチをつけるのは良くなかったな……と自分を(いさ)めたのだけれど。  いきなり何を言い出すんだ?と思うのは正解だよな?と自問自答せずにはいられない。
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