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羽理は、まるで自分を食べ尽くさんとするみたいに口の中を這いまわる大葉の滑らかな舌の動きに翻弄されて、合間合間で必死に空気を求めて唇を喘がせるので精一杯。
「や、ぁんっ、は、ぁっ、んっ、……ふ、ぁっ」
それだけでも堪らないのに、大葉の、自分のものより大きくて分厚い舌全体で口蓋をぬるんっと舐められた瞬間、今まで味わったことのない快感が脳天を突き抜けて……。
羽理は瞳に涙を滲ませて、小刻みに身体を震わせた。
それと同時。
下腹部、子宮の辺りがキュゥッと疼いて、トロリと温かな蜜が溢れ出して下着を濡らしたのを感じた羽理は、戸惑いにモジモジと太ももをすり合わせた。
羽理の反応に気付いた大葉が、そこばかりを執拗に攻めてくるから。
羽理は「もうダメ。お願いやめて?」と言う意思を込めて両掌で大葉の胸を必死にパシパシと叩いた。
その思いが通じたのだろうか。
大葉がやっと羽理の唇を解放してくれて。
激しい口付けで濡れてしまった口の端の唾液を指の腹で優しく拭ってくれる。
「羽理、俺の〝抱きたい〟はこういう意味なんだけど……理解出来たか?」
そうして胸に添えられたままの羽理の小さな手を捉えると、そのまま自分の下腹部へと導く。
羽理はその行動の意味が分からなかったのだけれど。
手のひらに布越し。熱くて固い感触を感じた瞬間『えっ!?』と思って。
「大葉のおちんちん、大きくなってる……?」
日頃は決して口にしないようなはしたない言葉を思わずつぶやいていた。
***
まさか愛らしい羽理の口からそんな言葉が出るとは思っていなかった大葉は、羽理が発した陰茎の幼児語にノックアウトされてしまった。
お陰様と言うべきか。それでなくても臨戦態勢な愚息が、「なぁ、もういっちゃおうぜ、相棒!」と、痛いくらいに昂って大葉を唆しにかかる。
そういえば、羽理はもともと何かに没頭し過ぎると変なことを口走るところがあったなと思い出した大葉だ。
そう、例えば――。
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