20.お願い、抱かせて?*

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 自分で心配しておいて何だけど、こんな風に用意周到にスキンを準備されていたと言われたら、羽理はにわかに落ち着かなくなってしまった。 「た、大葉(たいよう)の……エッチっ!」  思わず照れをそのまま口の端に乗せたらククッと笑われた。 「好きな女が自分に振り向いてくれたらチャンスをものにしたいって思うのは当然だろ? 機会なんざ、いつ来るか分かんねぇし……備えは重要だ」  そういえば今日、大葉(たいよう)は姉の柚子(ゆず)に、羽理が思うよりも前から羽理と付き合っていたつもりだったと話して呆れられていた。  大葉(たいよう)が、以前から自分と恋人同士という心積もりだったのなら、そう言う支度(したく)をしていたことも、確かに納得出来る。  そう思い至ったと同時、持たれたままだった手をそっとベッドへ縫い留められた羽理は、瞳を見開かずにはいられなくて。 「そんなわけで……続き、していい?」  聞き方こそ疑問形だけど、続きをするのは大葉(たいよう)の中では決定事項らしい。 「あ、あのっ」  羽理が何とか現状を打開しようと口を開いたら、好機とばかりにディープキスで(ふさ)がれた。 「ぁ、んっ……ぁ」  それだけならまだしも、キスに翻弄(ほんろう)されている内にいつの間にかパーカーのファスナーを全開にされていて。  下に着ている下着同然の白いカップ付きキャミソールを(あら)わにされた羽理は、一気に防御力を失った気がしてソワソワせずにはいられない。 「羽理……」  口付けを(ほど)いた大葉(たいよう)が、熱い眼差しでこちらを見下ろしてくるのが堪らなく恥ずかしくて。 「ヤダぁ、大葉(たいよう)。触らない、で……? 私のお胸、ちっさくてガッカリさせちゃう、から!」  この()に及んで柚子のたわわなおっぱいが頭に思い浮かんだ羽理は、寝そべってさらに起伏をなくした自分の胸に劣等感を(いだ)いた。 「バーカ。前にも言っただろ? 羽理の胸、すげぇ好みだって」  実際何度も見られているのだから、今更だと言うのは羽理にも分かっている。 「自信持てよ」 「けどっ」  それでも触れられるとなるとやはり抵抗があったから。  懸命に拘束されていない方の手で、胸元へ伸ばされる大葉(たいよう)の手を掴まえようと頑張った羽理だったのだけれど。 --------------------- ※色々ありまして、大葉(たいよう)の姉・寧葵(ねぎ)姉の名前を柚子(ゆず)に変更しました。 経緯(いろいろ)につきましてはエッセイ https://estar.jp/novels/26179568/viewer?page=200 にて。 ↑ちょっとしたお願い事も添えています💦
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